組織で成功するタイプが面接で勝つタイプ
ちょっと待った受験と考えるな就職試験
仕事に先入観を「もたない幸せと」「もった不幸」
先入観で仕事を考えると不幸が訪れる可能性が...
業界研究・職種研究・省庁研究をする中で自分の先入観から消去法を使い希望職種や業界を絞る学生が結構います。「○○は苦手だし...」「○○は大変そうだし...」という考え方です。そのような考え方で就職活動を始めた場合、高い確率で内定を取ることができません。また、内定を取ったとしても早期の離職につながる場合も多くなってしまいます。
消去法の就職活動には2つの欠点があります。
1つは、組織の視点・お客様の視点が抜けているという欠点です。皆さんが採用担当だったと想像してみてください。受験者に臨むのは「○○がやりたい」「○○にモチベーションを感じている」ということではないでしょうか。企業は「○○が苦手だから、大変そうだから、そうでないこの仕事がしたいです」という学生を合格させたいと思うでしょうか。また、お客様は「○○が苦手だから、大変そうだから、そうでないこの仕事に就いた人」を信用するでしょうか。「扱っている商品やサービスへ誇りを持った人」から買いたくないですか。
2つ目は、皆さんが苦手とか嫌とか思っている仕事はすべての職種にあるからです。例えば、嫌だとよく聞く「ノルマ」これがない仕事はこの世に存在しません。某校で就職指導をなりわいとする私であれば関わった学生を100%合格させることがノルマです。達成できなければ、私のお客である学生はあきらめてくれるのでしょうか。例えば、事務であれば100%間違いなく伝票を処理するノルマなんて当たり前です。伝票処理のミスで下手すると取引先企業は倒産します。ちなみに、このノルマ、一般的には目標といいますが、仕事をするからには達成する責任があります。例えば、単純作業は苦手だからという学生も多いですが、単純作業がない仕事もありません。結局どのような仕事に就いても、消去法で消したはずの「嫌」「苦手」はついてくるのです。そして、こんなはずじゃなかったと転職を考え始めます。
❖業界・職種・組織の良いとこ探しが研究の目的
社会に有益な何かを仕事を通じて提供してその対価として報酬をえるものです。その有益な何かは、お客様ができない何かです。できない何かをやるためには、当然つらいこともあります。また、社会人として受けたからには責任を果たす義務があります。この場合の義務は結果を出す(目的をクリアする)ことです。消去法の職種・業種選びでそれに耐えられるでしょうか。責任を果たすためには、好き嫌い関わらず何でもやりますという覚悟が必要ではないでしょうか。消去法で選んだ職種や業種は、結局「嫌」「苦手」がついてきます。そして、仕事が嫌になるだけです。
さらには、消去法で職種や業種・企業を選ぶとそれを見破られた時、採用担当から嫌われます。そして、採用担当は人の気持ちを暴くプロです。業界研究・職種研究・企業研究はまず苦手とか嫌とかを抜きにして行ってみましょう。また、その中で、その業界、その職種、その企業の良いところを探してみましょう。
❖今まで知らなかった知識を知ってプラスして見る目を養う
「今まで考えてきた知識を使って消去す」るのではなく「今まで知らなかった知識を知ってプラスする」ことが業界研究・職種研究・省庁研究の活動です。先入観を持たず調べ新たな知識を得ると全く違う世界が見えると思います。
是非、頑張ってみてください。
企業研究・省庁研究で楽しようとすると苦労する
「習うな」「学べ」面接試験で勝つ唯一の道
❖私は就活本が嫌いです
こんなブログを運営しながら、こんなことをいうのもなんですが...「私は就活本が嫌いです」...だって...ほとんどの就活本ってノウハウのかたまりなんだもん...(すべてではありません)
さて、仕事柄、就活本を眺める機会は多いのですが「なんだかな」と思いながらページをめくっているのは私だけなのでしょうか。就職活動を行う上でビジネスマナーや敬語・SPI的な常識試験などのノウハウは必要だと思います。さらに、自己分析からエントリーシート・面接・グループディスカッションのノウハウは、何を伝えるべきかなど根っこの部分では必要だとも考えます。しかし、受かる自己PRや受かる志望動機は存在しません。こうすれば必ず受かるノウハウはないのです。でも、学生たちは「キャリアデザイン」などでノウハウを聞きたがります。また、就活本やインターネットなどを参考にし、自分らしさが全く入っていない自己PRや志望動機を作ってくる学生もいます。中には自己PR・志望動機をネットや本からコピペしてくる猛者にも会ったことがあります。就職活動をテクニックで突破しようと頑張る学生たちです。
❖就活はテクニックでクリアできるほど甘くない
そのような学生たちに対して「キャリアデザインは高校までの習う授業とは違う」「私は就職指導をする教員ではあるけれど、就職活動のノウハウをレクチャーできるようなノウハウを持っていない」と言うことにしています。もし、就職活動が高校までの受験科目のように正解があってテクニックで解けるようなものであったら、どんなに楽なことか。当然、資料として就職四季報などに目を通しますが、あくまでも資料としてです。
小学校から今まで知識や技術を習うことで自分を成長させてきた学生にとって、そのように考えるのも致し方なし、とも考えます。ノウハウで就職活動をしようとする学生に対し「そうだよね」「今までそれで成長してきたのだからね」という気持ちもあります。「習う」ことと「学ぶ」ことの使い分けをこの就職活動で自分のものにしてください。自分が「習う」行為は解法を使って正解を導き出すことができる正解のあるものに対して使うもの。「学ぶ」行為は正解のないものに対して自分の考えを組み立て立ち向かうもの。と考えてください。ゼミに近いものと言えばわかりやすいでしょうか。私はそのお手伝いならばできます。
❖就職活動…専門学校生活で一番役に立つ科目
「就職活動は専門学校生活の中で将来一番役に立つ科目だ」と述べた記事をどこかで読んだことがあるのですが、私もその通りだと思います。自分の人生をかけて学ばないとクリアできない就職活動、自分で考え、組み立てて真摯にぶつかっていく。そこで、自分の成長を実感できる。就職活動で「学ぶ」行為が将来を創るだけでなく、自分の成長も創ります。
就職試験の必須スキルって何?
❖資格を就職に活かすよく言うけど...
学生やその保護者から就職のために「簿記の資格くらい持っておいた方が良いですか」と聞かれることがよくあるのですが、この質問はいつも返答に窮します。簿記の資格は持っていた方が良いのですが、私と学生、私と保護者の感覚に多分乖離があるからです。例えば「英語は喋れた方が良いですか」「部活は入っていた方がが良いですか」「生徒会活動はした方が良いですか」「ボランティアはやっていた方が良いですか」などの質問も同じです。
資格やスキルを最大の武器にして、就職活動に臨むと特殊な技術が必要な仕事以外では、失敗の可能性が大きいです。資格やスキルが有った方がないよりも就職活動を有利に進めますが、それは最大の武器にはなりません。また、就職で有利になることを目的として「部活に入る」「生徒会に入る」「ボランティアを行う」などを行っても、それを行ったから就職が決まるわけでもありません。ほとんどの企業の就職試験では目立ったスキルや資格を一番に望んでいるわけではありません。
❖もし、資格・実績・スキルが採用基準だったら
学生や保護者の多くは形ある資格や実績・スキルが就職活動を有利にする最大の武器だと考えている場合が多いのですが、新卒採用ではそこを一番に見ていません。考えてみてください。もし、実績やスキル、それを証明する資格が採用基準だったとしたら、社会人経験者の方が仕事につながる直接的な実績やスキルを持っていると思いませんか。社会人経験のない、これから教育が必要な新卒を採るよりも、中途採用の方が良い人材を集められます。
日本以外のほとんどの国がこの考えのもと、新卒一括採用はしていません。新卒も中途も同じ土俵で、今までの実績や経験から採用されていきます。そのため、新卒は卒業後にインターンシップなどをしながら実績や経験を積み、そこからの採用となります。このような社会であれば、就職のための実績を積む資格を取ることが最も大切だと思います。
❖採用基準は「一緒に働きたいか」
では、日本の企業の採用基準はというと「一緒に働きたいか」の一言で言い表せます。実際、ほとんどの会社の人事が採用基準は「結局は、共に働きたいと感じるか」「一緒に働いたら楽しいだろうな」「こんな子を育ててみたい」などと言います。つまり、資格そのものよりもそれを取るための努力、役職や実績よりもそのチームの中で何を行ったかが大切です。ある企業では、簿記などの資格や、英検などの能力試験を一生懸命受験して成果を出してきた真面目なタイプと一緒に働きたいと思うでしょう。また、ある企業では、部長として皆をフォローし、苦労しながらまとめ上げたようなタイプと一緒に働きたいと思うでしょう。結局、企業によって、その社風によって、欲しがる人材は違います。でも、言えるのは資格やスキルよりも人間性で採るか採らないかを決めているということです。
簿記や英検などにはぜひ挑戦してください。リーダー経験や生徒会も機会が有ればぜひ行って下さい。
「簿記の資格は持っておいた方が良いですか」の質問に対し「資格は持っている方が良いと思う」「ただし、就職先は資格そのものよりも、その資格を取得するための努力や頑張りをどのようにしたかを評価するけど」と返すようにしています。それは、採用基準が「一緒に働きたいか」だからです。
自分史を書くな自分伝記を書け
❖「自分史」と「自分伝記」の違い
自己分析のノウハウを書いた記事の中で、「自分史」を勧めるものが良くあります。それはそれでよいのですが、私は学生に「自分史は書くな、伝記を書け」と言っています。結局は同じなのかもしてませんが、「自分史」と「自分伝記」私の解釈の差を本日はお話ししたいと思います。
例えば、織田信長の桶狭間の戦いを信長の歴史的な解釈で書くと次のようになります。
1560年(永禄3)5月19日、尾張桶狭間(愛知県豊明市)における今川義元と織田信長の戦い。当時、駿河・遠江を本拠としつつ、三河を領国化した今川義元は、1552年から1559年に、三河支配の徹底と領国の拡大を意図し尾張に侵入、沓掛、鳴海、品野、大高の諸城を拠点として、海岸沿いに勢力を築きつつあったが、1562年5月、駿・遠・三の2万5000余の兵力を動員し、大規模な侵入を図った。織田信長はこれに対し、丹下、中島、善照寺、鷲津、丸根に築砦し防戦に備えたが、今川軍は鷲津・丸根砦を落とし、同月19日、本陣を桶狭間のうちの田楽狭間に移した。一方信長は19日払暁、「敦盛」を舞い、わずかの兵を率いて清洲を出発、進軍中に先の2砦の陥落を知り、善照寺砦で兵力を結集させ(約3000という)、相原方面へ向かい太子ヶ根を経て、今川軍に察知されることなく田楽狭間の今川本陣を急襲。義元は壮烈な戦死を遂げ、今川軍は敗走した。(日本大百科全書(ニッポニカ) 久保田昌希)
「信長史」は信長が行った事実を正確に客観的に伝えることを目的としており「いつ、どこで、だれが、なにをした」という部分に重きをおいて述べられたものです。
次にどこかで信長の伝記を読んだ私の創作になりますが「信長伝記」です。
永禄5年5月、上洛を果たすため、信長が治める尾張に2万5000余りの軍勢で攻め入る今川義元。3000人しか動かせる兵を持たない信長は、喉元に匕首を突きつけられた状態。家臣たちが「もはや、これまで」と口々に嘆く城内。そのような中、信長は大いびきで寝ているさまであった。大うつけと呼ばれた信長に仕えた家臣たちにとっても、信長のこの行為は奇異なもので「見限るものも出るのではないか」という雰囲気が城内に漂っていた。主君に絶望を感じ、家臣たちが右往左往し城内は大混乱であった。しかし、今川が織田の丸根砦、鷲津砦に攻め陥落したとの報告を受けると、すくと立ち上がり、出陣の号令を声高らかに叫んだ。「人間50年、下天のうちをくらぶれば夢幻のごとくなり、一度生を受け滅せぬもののあるべきか」と敦盛を舞った後、先陣を切って出陣した。光を背に駆け抜けるその姿は、まさに真の軍神の降臨。家臣たちは、その信長の姿に身震いした。「主君信長には勝つ策略がある」そこにいた全員が確信した瞬間であった。(私の創作ですので細かいことは勘弁してください...)
周りの状況、本人の行動を語り、信長の覚悟や気持ち、考え方を示唆するものが伝記です。「信長伝記」は、その時の信長の考え方や思いが大切で「なぜ」に重きをおいて述べられるものとなります。信長の決死の覚悟、尾張を守りたいという思い、その戦略など、信長の人となりが出たものでなければよい伝記とは言えません。
❖新卒採用に強い「自分伝記」
さて、新卒の就職活動で企業は何をもってその人を判断するかと言えば、事柄よりも思いや考え方です。例えば、「インターカレッジで優勝」という事柄はその競技のプロになるのでなければ、どうでもよいことです。それよりも、そこまでの努力やその努力を継続できた気持ち・考え方などが大切です。新卒採用がポテンシャル採用だからこそ、そのようなことになるわけです。その自身のポテンシャルを見つけるための「自己分析」では「自分史」ではなく「自分伝記」が重要であり、その後の就職活動を後押しするものとなりやすいのです。
また、「自分伝記」を書く中で「ドラマ」を描けとも言います。自分が成長した出来事であれば、そこに「ドラマ」があるはずです。その時の気持ちを思い出し「なぜ一皮むけたのか」「どんな思いがあったのか」「どんな行為があったのか」「どんな言葉があったのか」をしっかりと伝記の中に入れていくと、どんな人生も輝いて見えるものです。
是非、「自分伝記」を書いてみてください。「ドラマ」を教えてください。学生が書いた自分伝記で、涙もろい私は何度泣いたことか...面接官を泣かせる勢いで(でも、絶対に盛らないで)作ってみてください。